
2012年度アカデミー賞では作品賞&主演男優賞を含め5部門を受賞。
サイレント映画からトーキー映画へと移り変わり、大恐慌も始まってしまう
1920年代後半から1930年代前半のハリウッドを描いたサイレント映画。
サイレントコメディーロマンス映画。「アーティスト」をご紹介しましょう。

プライド: ★★★★★
愛: ★★★★★
ハリウッド:★★★★★
監督・脚本・製作は: Michael Hazanavicius ミシェル・アザナヴィシウス
(「OSS 117 私を愛したカフェオーレ」他仏作品監督、ハリウッドデビュー作)
出演は
ジャン・デュジャルダン:as George Valentin
(「OSS 117 私を愛したカフェオーレ」他仏コメディ映画出演多数)
べレニス・ベジョ:as Peppy Miller
(「Rock You!」米「OSS 117 私を愛したカフェオーレ」仏、他出演)
ジョン・グッドマン:as Al Zimmer
(「オー・ブラザー!」「ものすごくうるさくてありえないほど近い」他出演多数。
「ROSEANNE」「Ed」他TV出演とても多数。
「モンスターズ・インク」他声の出演とても多数)
アギー:as The Dog
(「ライフ・イズ・ワン!ダフル」他出演多数。)
素晴らしい一本です。シンプルなのにとても正直。
1920〜50年代のハリウッド映画が好きという方はもちろん
男性でも女性でも、実は わりと プライド高いと思う

ではこの後は映画の入り口をご紹介しましょ。
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舞台は1927年のハリウッド。
頭に電流を流され拷問を受けるダンディーな男。
彼は華麗に悪者たちから逃れると、美女を救う。
オーケストラの生演奏とともに着飾った男女が劇場でそんな映画を楽しむ。
ジョージはそんなサイレント映画の主演スターだった。
一方、ジョージの大ファンのミリーは
エキストラの登録をしたばかりの女優志望の若い女性。
ひょんなことからジョージにアドバイスをもらい、一歩ずつ女優への階段を昇り始める。

ところが1929年、映画はサイレントから声を出せるトーキーへと流れを変える。
ぐんぐんと人気をあげるミリーの一方で、
そのプライドから話すことを拒んだジョージは衰退し…
こうしてつづられるこのコメディーロマンスサイレント映画は

BGM以外は98%無言で贈られるこの映画
これほど話すことなくその感情の変化を表現しきったジャンも、
ミリー役のベレニスもすばらしいのですが、やはり話題のアギーは別格です。
かわいいとかそういうことではなく(かわいいですけど)
なくてはならないと思わせるその存在感◎
アメリカの観客がショーを与えるべきだと声をあげ、
みごと動物のアカデミー賞を受賞したのもうなずけます。
![2012-04-05 07.57.25[1].jpg](http://etsukoyuuki.sakura.ne.jp/sblo_files/e-movie/image/2012-04-052007-thumbnail2.57.255B15D.jpg)
そうそう、見逃せないのが細かいダブルミーニング。
ジョージの部屋のインテリアの置物、奥さんの最後のセリフや
シーンの背景の一部となっている文字etcetc.
メッセージがたっぷりつまった"小道具"がこれほど生きるのも
サイレントだからこそかもしれません。
さてさて、プライドって本当に厄介ですね。
私は全然もってないんですよ。
そんなことを言っている方は気をつけてください。
プライドを捨てられることってかっこいいじゃん。
そんなことを言えちゃう方はもっと危険かも。
誇らしげにそれをいえることもプライドですから。
自分のことなんてぜんぜん見えなく聞こえなくなっちゃうんですよね。
わたしたちは とても簡単に。
だってものの5分もこのサイレント映画を観ているだけで
BGM以外は聞こえずにストーリーが流れていく
ということに
違和感を覚えなくなれるくらいですから。
でも大丈夫。
映画の最後には耳だけじゃなくて、
体の全部がすーーーっと開いていく。
すーーーーーっと酸素が通っていく。
そんな気分にしてくれるのがこの一本。
アカデミー賞作品賞を受賞するのも当然だと思えるのは
だってこの業界に生きているアカデミー委員会が選ぶのが
アカデミー賞なのですもの。
成功しているアカデミーの皆さんも、
ジョージにとても共感したってことに違いありません。
![2012-04-05 07.58.33[1].jpg](http://etsukoyuuki.sakura.ne.jp/sblo_files/e-movie/image/2012-04-052007-thumbnail2.58.335B15D.jpg)
それが何であれ
前に進んでいるつもりが行き止まりだった時
何度でもみたくなる、そんな一本。
公開は4月7日。
上映時間は101分。
タイタニックや3Dとは違う意味で、ぜひ劇場で観てほしい一本です。
だまされたと思ってぜひ⇒ HP えつ