「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」の作者として世界的に有名な作家レフ・トルストイの
後期の人生を描いたノベルの映画化。多部門でオスカーにもノミネートされた1本。
「終着駅〜トルストイ最後の旅」をご紹介しましょう。

ヘレン・ミレン: ★★★★★
愛のお話: ★★★★★
ヘレン・ミレン: ★★★★★
原作はジェイ・パリーニ
監督・脚本はマイケル・ホフマン(「プロミスド・ランド/青春の絆」「ソープ・ディッシュ」他)
出演は
ヘレン・ミレル:as Sifya Tolstoy
(「The Queen」「カレンダー・ガール」「ホワイト・ナイツ」←どれも名作!他多数。)
クリストファー・プラマー :as Leo Tolstoy
(「インサイダー」「ビューティフル・マインド」「Dr.パルナサスの鏡」「12モンキーズ」他多数。)
ジェームズ・マカヴォイ:as Vakentin Bulgakov
(「ジェーン・オースティン〜秘められた恋」「つぐない」「ナルニア国物語〜ライオンと魔女」他)
これは

です。
ではこの後は映画の入り口をご紹介しましょ。
*************** 続き ↓↓↓↓↓↓ **************
舞台は1910年のロシア。
青年ワレンチンは、人類愛、人道主義を掲げるトルストイ思想運動のリーダー、チェルトコフとの面接で、
トルストイの秘書・助手として雇われる。

真実は愛の中にだけ見出せると信じるトルストイ。
ところが、彼を取り巻く2人、妻ソフィアと、リーダー・チェルトコフの間には、
トルストイをめぐる絶え間ない争いがあった。
世界平和と人類愛を歌うチェルトコフ。人類規模の前に夫の愛を求めるソフィア。
ある日、耐えられなくなったトルストイは…
これは、

愛も思想も信じるものも、形の無いものはむずかしいですね。
見つけたつもりで信じていても、時と共に一人歩きを始めるでしょ。
信じたものが形を変えるのか、自分が変わったのか。
このストーリーが真実なら、トルストイは自分の思想に飲み込まれていて、
しかもそれを十分承知していたのかもしれません。
そう思わせるこのトルストイはとても人間味のあふれるひとに仕上がっています。
プラマーは迷いも弱さもあってかつ尊敬されてもおかしくない人物像をしっかりと作り上げているのです。
そして何といってもヘレン・ミレンがすばらしい◎
「クイーン」でのエリザベスもそうでしたけれど、皇族レベルの気品と厳格さをだしつつ、
人間らしい浅はかさも弱さも臆さずだしつつ、かつキュートでいられる女優さんは
ハリウッドでもそうそういないでしょうね。

今回も、頑固でヒステリックな女性をそれはそれは魅力的にみせてくれます。
悪妻といわれ醜態ばかりをさらすのに、きっと彼女を嫌いになる観客はいないのではないでしょうか。
理由はきっと気持ちがとてもリアルだから。
ソフィアのセリフ "They don't know what love is"
あの人たちは愛が何だかわかっていないのよ にもとても説得力があるのです。
彼女の「愛説」に一番説得力があるのは、それが真実だからなのでしょうか。
それともヘレン・ミレンの女優力がすばらしいからのでしょうか。
公開は9月11日。
真実の愛について静かに心を馳せたい方はぜひ ⇒ ◎